2013年04月の出来事 〜地元報道より〜
◆安心感増します
南三陸消防署の仮設庁舎が完成した。震災の津波により旧庁舎が全壊したことで、消防職員はベイサイドアリーナ隣のトレーラーハウスで業務に当たっていた。4月1日には南三陸消防署と歌津出張所の開所式が同消防署で行われ、消防署員ら30人が出席した。
◆特別出向署員着任
南三陸署の特別出向者着任式が4月3日、同署で行われ、和歌山、兵庫両県警から派遣された署員5人が町の復興と地域の安心・安全のためまい進することを誓った。
◆2年ぶりに化石里帰り
世界最古のギョリュウ化石として知られる「ウタツギョリュウ」の化石が南三陸町歌津に里帰りし、歌津地区コミュニティ図書館「魚竜」に展示されている。
今回里帰りした化石は一部だが、町生涯学習課の及川課長は「ギョリュウ化石は地域の宝。魚竜館を再建させたいと考えており、公共施設の配置、まちづくりなどを勘案して、検討したい」と話している。
◆がれき処理2割終了
南三陸町戸倉在郷で行われている震災がれきの処理は3月末現在、土砂などを除く46万㌧のうち10万6千㌧(23%)が終了した。がれき搬入は9割ほど終了し、全体の処理作業は順調だが、がれきに含まれる可燃物が予想よりも多く、新たながれきが見つかるなどしており、焼却は1~2か月ほど遅れる見通しとなった。
◆事故のない地域づくりへ
春の交通安全運動が4月6日から始まるのにあたり、南三陸町では一足早い5日に約100人が参加して出動式が行われた。
◆8月から盛り土工事へ
南三陸町は、志津川市街地で行う盛り土工事を8月からスタートさせる。4月には浄化槽などの撤去と、盛り土工事着手の承諾書を土地所有者に発送し、6月からは撤去工事に着手する予定。区画整理事業の完了までは6〜7年としている。
◆払川ダム試験 洪水時最高水位に到達
昨年11月から試験湛水が行われていた南三陸町歌津の払川ダムの水位が、一時的に貯めることができる最高の「洪水時最高水位」に達した。今後はたまった水を放流し、平常時に貯めておく水位まで下げて試験が終了する。
◆震度自動通報を再開
南三陸町は、震度情報を防災行政無線で自動放送するシステムの運用を再開した。震災により震度計などの関連システムが流失。住民が情報を得る手段はテレビ、ラジオなどになっていた。今回新たに2つの震度計が設置され、震度4以上を観測した場合、自動的に防災無線から情報が放送される。
◆飲酒運転根絶訴える
南三陸署は4月10日、南三陸さんさん商店街の飲食店などを訪問して飲酒運転根絶を呼び掛けた。
署員をはじめ町職員12人が8店舗を回り、店主にポスターやチラシなどを手渡して飲酒運転根絶への協力を求めた。
◆現状伝える旅に出発
山形県出身の青年が4月11日、南三陸町のゆるキャラ「オクトパス君」の人形を携えて全国一周の旅に出発した。北海道から沖縄まで車で回り、行く先々で被災地の現状を伝える。
◆中央地区発掘調査が本格的にスタート
南三陸町が高台移転先の一つとして計画している志津川中央地区で、埋蔵文化財調査が4月11日から本格的に始まった。
調査が始まったのは600年ほど前に使用されていたと伝わる新井田館の遺跡。作業員55人を雇用し、来年3月までを予定している。
◆気仙沼信金 志津川支店が完成
気仙沼信用金庫志津川支店の新店舗が4月15日、志津川磯の沢地内にオープンする。震災後初の本復旧による金融機関になり、町民の利便性向上が期待される。
◆安全運転を
春の交通安全運動最終日の4月15日、南三陸町歌津皿貝の国道45号パーキングで街頭キャンペーンが行われた。南三陸署や交通安全団体などの関係者50人が参加し、チラシや眠気覚ましのガムなどをドライバーに配り安全運転を呼び掛けた。
◆ベイサイドアリーナ 復旧工事始まる
東日本大震災の地震被害を受けながらも対策本部などの拠点となった総合体育館「ベイサイドアリーナ」の災害復旧工事が始まった。
地震によって一部外壁が崩れ、文化交流ホール天井裏は「崩れ落ちる寸前」だったが、津波により町内施設が壊滅する中、高台にある体育館に公共機関が集中し、物資倉庫、避難所、遺体安置所の役目も果たしてきた。イベントや会議などでの利用も多く、仮補修は行われたが復旧工事は手を付けられずにいた。
アリーナは9月末まで利用を停止し、ホールは期日前投票所となる7月までに工事を終える。
◆農漁家レストラン再開
南三陸町戸倉、農漁家レストラン「慶明丸」が4月17日に新店舗にて再開した。震災で店は全壊したが、「慶」の文字が入った看板の浮き玉が、米アラスカの海岸に流れ着き、戻ってきたことが店の再開を後押しした。セレモニーには関係者や地元民ら約50人が参加し、ワカメのしゃぶしゃぶや、炊き込みご飯などが振る舞われた。
◆歌津で初の造成着手
南三陸町の寄木・韮の浜地区防災集団移転促進事業の造成工事が4月18日、歌津砂浜地内で着手された。歌津地区内では第1号となり、この日は現地で安全祈願祭が行われ、出席した関係者ら40人が一日も早い完成を願った。
◆小森への商業施設続々
南三陸町志津川小森地内で商業施設の出店が相次いでいる。付近に建設される三陸道のインターチェンジにより交通量の増加が予想されるためだ。
町の計画は、主に八幡川と新井田川に挟まれた一帯に商業施設を張りつかせるものであったが、仮設店舗で営業中の商店からも小森地区といった内陸部や住宅団地が形成される高台での営業を望む声もあり、市街地形成はプラン通りになるかどうか不透明な状況となっている。
◆自主防災組織を再編成
南三陸町は、自主防災組織の再編成に取り組んでいる。震災前、町内には64行政区のうち70%に当たる45の自主防災組織があったが、震災により自治会の解散や仮設住宅の建設などで組織の枠組みが変わった行政区もある。このため町では補助金を増額する交付要綱を昨年度から新たに設定しており、本年度も500万円を予算として引き続き申請を受け付けている。
◆がけ近で半数が町外転出
南三陸町が昨年度受け付けた個別移転世帯の補助金交付申請で、全体のうち約半数が町外への移転だったことがわかった。2種類ある両事業を合せた受け付け軒数は124件。このうち町外への移転は58件で全体の47%に当たる。進まない復興事業に町外へ出ていくケースも見られ、復興へのさらなる加速化が求められている。
◆戸倉中統合 正式決定
南三陸町教育委員会は4月24日、町立戸倉中学校を26年4月に志津川中学校と統合させることを正式に決めた。震災によって生徒数が大幅に減少し、今後も歯止めがかからない傾向にあるため適正規模の教育環境に整えるべきと判断された。
◆まちづくり協議会が初の合同部会
南三陸町の志津川地区まちづくり協議会が4月25日夜、合同専門部会を開いた。合同での開催は初めてで、高台移転、産業再生、公園の3部会の会員約30人が出席し、単独では話し合えないまちづくりの課題について議論を深めた。